自立を望む発達障害者支援 (ASP・HFASD・HFPDD・PDD−NOS)
 


発達障害の方に適したSSTとは 〜アズウィッシュが目指すもの


アズウィッシュのSSTでは、スキルの習得と共に、発達障害の特性をカバーしたり、色々
な工夫で自分の良いところを伸ばし、人と関われる自分を見付けていけるように、大切に
しているいくつかのポイントを元に課題を組み立てています。(※注:それぞれSSTコミュW
→コミュニケーションワーク、SST傾聴→傾聴ワークで取り組んでまいります。)

「あたたかい人との関わり体験を積み上げ直すこと」
「人への感受性を高め、表情や感情表現を豊かにしていくこと」・・・共通

発達障害の特性のひとつに、他人から見た場合、感情がないように見えてしまった
り、無表情に思われたり
といったことがあります。当然のことですが発達障害にも豊か
な感情があります。その自分の感情を出来るだけ的確に感じ取り、肯定的に表現で
きる
ようになると、人から好感を持ってもらう上で有利に働きます。

発達障害があると、こうした根っこの感情を本人が把握するのが苦手だったり、上手く表
現するのが苦手な傾向があり、周囲の誤解を受ける元となりやすいようです。また、他人
からの関わりに対する感受性が、そもそも乏しい傾向を持つ人も少なからずいます。

元々このような苦手があるのに、世間では、誤解したまま否定的な反応を繰り返してきま
すので、当事者さんには否定体験が積み上がり、余計に苦手が定着しがちです。そうで
はなくて、多少特性からくる行動があっても、その原因がわかっている支援者が関われ
ば、肯定的な反応で関わってもらえるでしょう。こうした繰り返しの中で、苦手は徐々に軽
減され、人への感受性もゆっくりゆっくりと高まっていくのだとアズウィッシュは考えていま
す。

ワークショップの活動の中で、否定的体験を肯定的体験で積み直し、周囲への振る舞
い・表情・感情表現力を豊かにしていくことで、スムーズな人との関わり方の習得を目指
していきます。

「三つ組に限らない発達障害の特性を広く理解していくこと」・・・SSTコミュW

世間では、発達障害の特性と言えば「社会性の困難」「コミュニケーションの困難」「こだ
わり行動(想像性の困難)と言われますが、実際はこの三つ組以外にも沢山の特性が存
在します。ワーキングメモリーが少ないことで起こるシングルタスクや、細部に捉わ
れがちな視知覚認知の傾向や、ゼロ百思考・自他の境界があいまいなどの思考的・
心理的な特徴
などです。こうした特性を広く理解し、自分の中での濃淡を知り、工夫して
カバーしていくものと、改善が難しく避けた方がいいものに区分けするなど、自分自身を
よく理解することは、社会適応に大切な要素です。アズウィッシュはレクチャーとディスカッ
ションを組み合わせる中で「自己理解と自己確立の促進」を目指していきます。

「周囲の状況をくみとることに挑戦する」・・・SSTコミュW

場の空気が読めない。周囲の無言の雰囲気を感じ取れない・・・・発達障害の特性でよく
言われることです。抽象的な概念や、言語化されていない無形のものを汲み取ることが
苦手な当事者さんに、こうした傾向は付き物です。また、この困難自体を根本的に無くす
ことは難しいです。この問題を解くカギの一つに「自分の内面的価値観(主観)にだけ
集中してしまいがちな習慣・気質」というのがありそうです。外の世界を感じて、そこ
から何かをくみ取ることが苦手なばかりに、内的な感情や自分自身の価値観の方に
集中しやすいのでしょうね。

この気質は、一生改善できないものではなく、周囲の状況を見回す訓練を積むだけ
でも、情報収集や情報判断の能力は上がっていく
ようです。SSTコミュニケーションワー
クでは、ゲーム形式の中で、周囲からの情報と自分の主観の両方を組み合わせて、状
況判断して行動していく体験を積んでいきます。

「聴く力を伸ばすことで、コミュニケーションを円滑にしていくこと」・・・SST傾聴W

世間話が出来ない。雑談に入れない…発達障害の方々からよく聞くお悩みです。
会話が成り立たちにくい原因には「想像性の障害」や「脳内処理速度に起因する即時応
答の困難」などが原因していると思われ、この部分の発達特性を解消していくことは、
中々難しいようです。しかし、定型の会話というのはいろいろと説明的なようで、案外、何
らかの感情に根ざして語られていることも多いのです。あちこちに飛ぶ話を追いかけ
るより、その相手がどんな感情を伝えたいのかがつかめれば、その受け取った感情
を「あなたは、こう思ったのですね」と返してあげることで、コミュニケーションが成立
するのです。「そうですか、それは大変でしたね」とか、「腹が立ったのですね」と
か、「そうか、そんなにしんどかったのですね」といった具合です。コミュニケーション
というと「語る(話す)力」に目が行きがちですが、「聴く力」の方がむしろ大切なので
す。アズウィッシュではこうした会話法についても学んでいきます。

「否定的なルール(自己制限)を見直す」・・・SSTコミュW

発達障害の方は、子どもの頃から社会から否定的な関わりをされてしまったことが原  
      因で「自分は思ったことを口にしてはいけない」とか「自分の感情をそのままに
出してはいけない」などの自己制限ルールを作ってしまっていることが、少なからずある
ようです。こうしたルール自体が自分をしばってしまい、ますます、自分の行動を他者否
定的であったり、社会否定的なものにしてしまっていることがあるのです。こうした止む
無く掛けてしまった思い込みを、時間をかけてゆっくりゆっくりと解いていくことにも、
アズウィッシュは共に取り組んでまいります

「自己肯定感の回復」・・・共通

最後に上げましたが、私どもが一番に大切にしているのはこれなのです。発達障害の
二次障害を引き起こしているのは「自己否定感」です。そして、この「自己否定感」は、発
達障害のあらゆる思考・行動を制約し、社会との好ましくない関わりを生んでしまいます。
また、ひと言で「自己肯定感を回復する」といっても、漠然としていてつかみどころが
ありませんが、小さな成功体験を積み重ねて「自己効力感(有能感)」を掴むと考え
ると、目標を見定めやすくはなりませんか。言い換えるなら、「あれはうまく行ったな
ぁ」といった経験を積み上げて、次への新しい挑戦に「自分には出来そう。チャレン
ジしてみよう」と思える自分を見付けること、と言えましょうか。「自己効力感」の積み
上げが「自己肯定感」の熟成に至る道ということでしょう。アズウィッシュでは、スモ
ールステップの課題を、あたたかい関わりと見守りの中で成功体験を積んでいただ
き、当事者さん達に自分自身の可能性を実感していただくことを目指しているので
す。




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